
こんにちは、NHK朝ドラ「あんぱん」第62話 あらすじと感想|6月24日放送分『ラジオが紡ぐ心の絆』と題してお送りします。
本日放送された第62話は、二郎の写真が「未来の暗示」として物語に深い意味をもたらした印象的な回でした。彼の夢や希望を象徴するその一枚の写真が、視聴者の心に未来への期待感を静かに植え付けていく演出の巧みさに、改めて朝ドラの力を感じずにはいられません。
一方で、千尋とラジオの関係性も見逃せないポイントでした。ラジオが持つコミュニケーションの力が、彼女の心の支えとなり、成長を促していく様子が丁寧に描かれていたように思います。
今回の放送を振り返りながら、これらの要素がどのように物語に影響を与えているのか、詳しく考察と感想を書きたいと思います。

NHK朝ドラ「あんぱん」第62話の放送、大変心に響く回でしたね。次郎との悲しい別れや、のぶ、そして高志と千代子さんの再会など、多くの視聴者の心に深い感動と共感を与えたことと思います。
皆さんの心に残ったであろう印象的なシーンと、今後の物語に繋がる重要な要素について、詳細なあらすじや感想を交えながら、読者の皆さんと感想を共有できるような記事にまとめました。
【あんぱん】第62話(6月24日放送)私と視聴者感想まとめ:喪失と微かな希望の中で
本日2025年6月24日放送のNHK朝ドラ「あんぱん」第62話は、まさに涙なしには見られない回となりました。
多くの人々が大切な存在を失い、それでも希望を探しながら生きていた戦後の厳しい時代背景の中で、登場人物たちが抱える絶望と、その中で見つけるわずかな光が描かれ、視聴者からは「辛すぎる」「胸が締め付けられる」といった声が聞かれました。
次郎との悲しい別れ、そしてのぶの涙
第62話では、多くの人が心を痛めた次郎との別れの場面が描かれました。 次郎との別れに際し、のぶは「精一杯の笑顔」を作って次郎の名前を呼び続けました。次郎がのぶの笑顔を大好きだったことを、のぶは分かっていたのでしょう。
病のため常に距離を置いていた二人ですが、やっと手をつなげたその瞬間に次郎は旅立ってしまいました。その静かな旅立ちは、見守る人々にとっても悲しい出来事でした。
視聴者からは、「あんなに辛い笑顔を見る ことになるなんて思いもしませんでした」、「悲しすぎる別れです」 といった感想が寄せられています。
次郎が撮ったのぶの写真は、何気ない日常の一コマでありながら、のぶの姿に明るい未来を感じていた次郎の深い愛情が伝わるものでした。しかし、のぶが撮った次郎の写真はピントが合っておらず、ぼやけていました。
次郎は「写真を見るとその人の未来に思いをはせる」と語っていましたが、亡くなった次郎の写真がぼやけているのはなんとも皮肉なことです。同時に、のぶ自身が未来に目を向けることができていないことを暗示しており、視聴者にとっても「二重に辛い場面」となりました。のぶの心は暗室のように光が差さず、暗いままだったのです。
次郎を失い、深い悲しみに沈む蘭子を、のぶはそっと抱きしめ、「そんな顔をしていたら次郎さんが悲しむわ」と優しく声をかけました。このシーンは、ゴーちゃんをなくした蘭子だからこそ、次郎を失ったのぶに寄り添うことができたのかもしれない、という共感を呼びました。
真面目なのぶが気を張っていた中で、蘭子がその重荷を一つ下ろさせてくれたのかもしれません。のぶの涙は、かつての自分の過ちを悔いる涙でもあったのでは、と感想を抱いた視聴者もいました。
戦後の物資不足により薬や食料が手に入りにくく、海軍病院でも十分な治療が受けられない状況だった次郎。彼は体調が悪化していくことを感じながらも、のぶを励まそうとし、病気になっても変わらずのぶを大切に思っていたことが伝わってきました。
高志の帰還と千春の死

引用:NHK『あんぱん』公式X(@asadora_nhk)|画像の著作権はNHKに帰属します。
次郎の看病に当たっていたのぶが自宅に戻ると、そこには予期せぬ人物がいました。柳家に高志が帰還したのです。千代子さんは、帰ってきた息子を見た驚きと喜び、そして涙の抱擁で高志を迎え入れました。
視聴者からは、「彼女がどれほどのことを心配していたのか、愛しく思っているのかが確かに伝わってきました」「母の愛情だけは変わらない、むしろ深くなっているような気もしてこちらまで涙が止まりませんでした」という声が上がりました。
しかし、高志が「千春は?」と尋ねると、千代子さんは唇を震わせながら「千春さんはもう…」と告げました。高志には、その予感がずっとあったといいます。
高志は「僕より優秀な千春が生きていた方が良かったのに」と嘆きますが、千代子さんは「そんなことを言うとお父様とおじさんが怒りますよ」と諭します。これは、千代子さん自身が高志を叱っているようにも見えました。
また千春は太平洋戦争当時、非常に危険な最前線の任務に就いていたことが示されています。。米国のソナー技術がはるかに進んでいたこと、そして千春が亡くなったのが敗戦の1年前という事実から、その苛酷な状況がうかがえます。
千春の「今度こそ自分の思いをのぶさんに伝えたい」という言葉も虚しく、朝ドラでは譲ってもらったラジオだけが残り、そこからは、終戦を迎えた混乱の空気や、未来への不安を感じさせる放送が続きました。
千春ののぶへの思いは、高志の胸の中にしまわれたままとなりました。
この高志の帰還と千春の死の報は、次郎を亡くし未来が見えないのぶだけでなく、高志もまた「過去最高レベルで落ち込んでしまっている」状況を描写しています。
おしんちゃんが呟いた「あの頃に戻りたいです」という言葉は、戦後の混乱期に「世界中の人たちがそう感じていた」であろう、共通の感情を代弁しているようでした。
のぶの教師辞職と葛藤
戦争が終わり、日本が敗戦国として歩み始めた時、のぶがこれまで子供たちに教えてきた「愛国の鏡」としての教え、つまり「正しいと信じていたこと」が全てひっくり返ってしまいました。GHQによる教科書の見直しで、軍国主義に沿った教科書はほとんど黒塗りになり、子供たちは何を学べばいいか分からない状態になりました。
のぶは、間違ったことを教えていたと子供たちに謝罪します。純粋に彼女の教えを信じてきた子供たちの澄んだ瞳を見て、のぶは言葉に詰まり、責任を感じました。空襲で焼き尽くされた町を見た時、彼女の中で何かが崩れ去ったように感じたのでしょう。
のぶは「もう教団に立つ資格はない」と感じ、教師を続けていく自信をなくし、辞職を決意します。元気がない次郎を心配させまいと、当初は教師を辞めたことを内緒にしていましたが、次郎はのぶの変化に気づいていました。
のぶが辞職を告白すると、次郎は「そんな気がしよったがよ」と、自分につき添うために教師を辞めたのではと心配しますが、のぶは次郎のためではなく、自身の意思だと伝えました。次郎は、間違ったことが嫌いな真っすぐなのぶの性格をよく理解していたのです。
食料不足の中、のぶは闇市で買った焼き芋を子供に盗まれますが、繊細孤児と知って見逃しました。このシーンからも、戦後の人々の苦境が伝わってきました。のぶは「無力感を抱いたことでしょう」と視聴者も感じています。
次郎がのぶに残した最後のメッセージ
次郎は生前、「戦争が終わったら世界中の国を回り、出会った人々をカメラに収めたい」と話していました。しかし、病床の彼はのぶに「今はもっと大事な夢ができた」と言い、ある手帳を見せました。
そこには文字ではなく、不思議な記号のようなものが書かれていました。のぶはそれが何なのか聞こうとしますが、看護師に遮られます。
後日、次郎の母せつ子が次郎の見舞いに訪れ、のぶと一緒に料理を作る中で、のぶはその記号について尋ねました。せつこはそれが「速記(そっき)」であると説明します。
速記とは、言論などを素早く書き留めるために、言葉を記号に変えて記録するものです。せつこは、次郎が学生時代から写真や速記に興味があったこと、好奇心旺盛だったことを話してくれました。
せつ子が次郎が読んでいた速記の本を持ってきてくれると言ってくれた矢先、二人にとってあまりにも悲しい知らせが届き、次郎が「帰得」したという伝報を受けたのぶは、あまりのショックに立ち尽くしました。次郎が伝えようとしていた「大切なこと」が、手帳に残されたままとなってしまったのです。
まとめ:絶望の隣には希望が
今回の第62話は、次郎の死、千春の死、のぶの教師辞職と、立て続けに悲しい出来事が描かれ、「絶望の淵」にある登場人物たちの姿が印象的でした。しかし、ひ先生の言葉を思い出してほしいと、ある視聴者は語ります。「絶望の隣は希望」。
多くの視聴者が「あの頃に戻りたい」というおしんちゃんの言葉に共感したように、戦争が全てを奪い、人々の価値観や信じるものを大きく揺るがしました。のぶもまた、自分の教えが間違っていたと知り、深く傷つき、無力感に苛まれました。
それでも、変わらない母の愛情 や、次郎がのぶに残そうとした未来へのメッセージ など、ささやかながらも希望の光が点在しています。

次郎がのぶに伝えたかった「大切な夢」とは何だったのか。そして、この深い悲しみの中で、のぶや高志、そして残された人々がどのようにして未来へと歩みを進めていくのか。物語はまた新たに展開に進んでいきそうですね!
ぜひ、皆さんの感想もコメント欄で共有してください。共に「あんぱん」の物語を語り合いましょう。